暑さにより具合が悪くなった人がいる場合、まずは症状と意識があるかをチェックして応急処置を行う必要があります。症状としては立ち眩みやめまい、大量の発汗、筋肉のこむら返り、生あくびなどがあると注意しなければなりません。
症状が進むと頭痛や嘔吐、倦怠感、判断力と集中力の低下、虚脱感などが出てきます。こうした症状が現れると、既に熱中症が進んでいるので速やかな応急処置が求められるでしょう。
まず、エアコンで涼しく冷えた室内や風通しのある涼しい日陰に避難します。一人での処置が難しい場合は、看護師であることを周囲に伝えて手伝ってもらいましょう。涼しい場所に避難したら、できるだけ衣服をゆるめて体を冷やします。
首の回りや脇の下、脚の付け根など太い動脈が通っている場所を冷やすと急速に体を冷やすことが可能です。また、水分や塩分、経口補水液などを飲ませることも重要となってきます。自力で水が飲めない、受け答えがおかしい場合は迷わず救急車を呼びましょう。
熱中症患者は乳幼児や高齢者が多く、意識して乳幼児や高齢者の様子に注意を払うことも有効な対策と言えます。熱中症対策を行わず屋外で活動している、水分を摂っている気配がないような場合には要注意です。
少しでも具合が悪そうな場合には、熱中症の一歩手前であることを疑いましょう。熱中症は、早めに処置することで確実に重症化を防げます。本人の意識はもちろん、早めに気づいて声かけすることも看護師が意識しておきたい熱中症対策と言えるでしょう。